樹木が陽光を遮り、人の侵入を拒むかのように笹や草木が生い茂る深い森。恵庭渓谷の奥地 ラルマナイ川付近は、源義経 黄金伝説の地としても知られている。
兄である源頼朝に追われ、奥州藤原氏を頼って平泉に落ち延びた源義経は、通史では文治5年(1189年)4月に藤原泰衡の襲撃を受け、衣川館でその短い生涯を閉じたとされている。しかし「義経は衣川館では死なず、武蔵坊弁慶らの郎党と共に、蝦夷地(北海道)に逃げ延びた」という伝承が、北海道の各地に現在まで伝わっており、この恵庭渓谷にも、義経が財宝を埋めたとされる伝説がある。
「戦死を装って北海道に渡った義経が、熊の沢に黄金を埋蔵した」という伝承があるのだが、その熊の沢がラルマナイ川付近(三段の滝上流との説)であると言われているのだ。過去には大規模な調査が行われたこともあるが、しかし現在に至るまで、財宝が見つかったという話は聞こえてこない。果たして源義経は、その生涯を北海道で終えたのか?
そしてこの恵庭渓谷に、彼は黄金を埋蔵したのか?
森は真実を語ることなく、そよ風に揺らめいている。